0-1.情報化とビジネスの進化の関連性に関する一考察

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先進国は工業社会によって高度な経済成長を遂げ、20世紀末から社会の情報通信資本が急速に発達している。これによりニューエコノミーが期待されたが、世界的な投機マネーによる金融バブルとともに崩壊した。しかし、インターネットは拡大を続け社会インフラは確実に変容しており、情報化はマーケティングにも影響を与え、新しい市場を拡大させるとともに一部の産業に脅威を与えている。また情報革命は、グリーンICTなどの省資源化を進め、運輸網やエネルギー網にも影響を与えている。そして、環境などの社会問題に対する意識改革は金融市場にも広がっており、社会的責任投資が注目され、企業の社会的責任にESG (注1)への要求が強まっている。一方で情報化は多くの問題も孕んでおり、2010年に起きた尖閣諸島沖の中国漁船衝突映像の流出やウィキリークスなどの問題は、まさに象徴的な事件だったといえよう。さらに、情報化による人間のアイデンティティの問題も指摘されており、仮想世界の広がりが人間の心に異常性を生み出す恐れが懸念されている。

私たちは環境問題などの工業社会の副作用の中で生きており、同時に情報化という新しい社会システムに適応しなければならない。そして、情報化の時代は再帰性の増大を意味している。ここでは、情報化とビジネスの社会化について包括的に捉え、情報化における再帰的近代化 (注2) の行方について、サスティナビリティを実現する社会の展望を考察する。

(注1) 環境(E:Environmental)、社会(S:Social)、ガバナンス(G:Governance)の略称。 (注2)社会が生み出したリスクの到来と同時に、近代社会の諸制度そのものが転換すること。

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