0-2.現状の認識

全ての記事 情報化とビジネスの進化の関連性に関する一考察

私たちの生活様式は、インターネットの普及と情報通信関連機器のイノベーションにより大きな変化を見せている。コンピューターは、物質と情報の一体化の概念を変え、物質から分離した情報をデジタルに置き換えた。インターネットに参加する世界の利用者は20億人となり、携帯電話の利用者は50億人に達するといわれ、さらに拡大を続けている。このような数十億人規模で利用されるデジタル情報は、核兵器で攻撃されても通信を可能とする安定性と、膨大な情報量でも通信を可能とする効率性を指向して生まれたインターネットの構造によって世界中に拡散している。

一方で、経済が成熟した先進国では金融改革が進められ、20世紀末の金融ビックバンを経てグローバルで相互依存的な金融市場が誕生した。そして、オンライン・トレーディングの普及を背景に株式投資の大衆化が一挙に拡大し、経営に対する株主への説明責任の要求が強まっている。また、市場メカニズムへ依拠した営利追求の限界によって、企業への社会的責任が求められており、そのコミュニケーションの範囲は社会適応にまで拡大している。これには、資源枯渇や環境問題が深刻化している背景があり、株主のみならず様々なステークホルダーとの関係を含めた企業システムのあり方がCSR(Corporate Social Responsibility)に問われている。

このような中で情報革命は、グリーンICTなどの省資源化を進め、運輸網やエネルギー網にも影響を与えている。運輸網の分野では、グリーンコンシューマーと呼ばれる消費者の増加を背景にサプライチェーンが変わりつつあり、エネルギー網の分野では、電力消費の最適なコントロールを目指すスマートグリッドなどの構築が始まっている。

ここでの論述は、情報化とビジネスの社会化についての関係を意識し、それらを包括的に捉えながら情報化がもたらすビジネスの進化について考察し、これからの有益な社会形成の可能性や有効性について言及するものである。そして、再帰性が増大した社会の行方に対する展望と課題を示し、情報化とビジネスの社会化におけるエンジニアリングに貢献することを目的としている。

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