1-1.社会変容の趨勢 工業社会の歴史 (2)

全ての記事 情報化とビジネスの進化の関連性に関する一考察

産業革命の技術革新によって、生産設備への投資と少ない労働力による「生産性」という新しい富の創造概念が導入され、それまでの手工業的方法では生産できなかった多くの製品やサービスが生み出された。そして現在に至るまで技術革新は進化し続け、生産の量とスピードを大幅に拡大させている。工業社会が本格化するまでは村落共同体による自給自足経済が一般的であったが、生産の飛躍的な拡大は生産者と消費者を分離し、大規模な市場を誕生させた。このような変容についてアルビン・トフラー(Alvin Toffler)は、「規格化、専門化、同時化、集中化、極大化、中央集権による第二の波のプログラムの六原則 」と論じている。産業革命以降の社会では生産の拡大と同時にメディアが発達し、中央集権的に管理されたマスメディアの発達によって何百万人、何千万人という人々へ同じニュース、同じ広告などの規格化された情報が伝達されるようになった。また、勤勉主義と企業の競争を背景に様々な商品やサービスの著しい増加が進み、大量生産と大量消費、そして消費財の潤沢な選択による高度消費社会が生まれた。アンソニー・ギデンズ(Anthony Giddens)はこのような工業社会への変容について、「人々の生活様式を、かつて火の発見が引き起こした以上に大きく変えてきた 」と述べている。 そして、現在の私たちを取り巻く社会では、コンピューターやインターネットなどの新しいテクノロジーの普及によって情報化が進んでおり、私たちはこれらを契機に新しい社会への転換期に立たされている。しかし、インターネットの普及は私たちに様々な問題を提起しており、インターネットが社会にもたらす影響を多くの論者が議論している。そして、今日のほとんどの社会理論研究者たちは、インターネットを中心とした情報テクノロジーと新たなコミュニケーションのシステムが重大な社会変容を生みだしていることを認めている。マニュエル・カステル(Manuel Castells)は、ネットワークに基礎を置く新しい社会構造を生み出していると指摘し、その変化は3つの過程によって進行している と述べている。それは、「資本、生産、貿易のグローバル化に対する経済の必要性・管理の柔軟性」、「個人の自由と開かれたコミュニケーションという価値が支配的になった社会の要求」、「コンピューターとテレコミュニケーションの驚くべき進化」である。そして、このような社会の転換の議論の中で、新しい時代の経済成長が注目されている。

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