1-2.時代背景と経済成長(1)

全ての記事 情報化とビジネスの進化の関連性に関する一考察

これまでの経済成長の時代背景は「農業の時代」、「工業の時代」を経て現在に至っている。それぞれの時代には変革をもたらした契機があり、「農業の時代」は、肥沃な土地の共同体的な占取を出発点とした「空間的規制型」の文明によって発達し、「工業の時代」は、産業革命による技術革新と資本設備を基盤とする「空間的伸張型」の文化を創り出した。そして20世紀から21世紀にかけて新たな経済成長の源泉が出現し、新しい時代として「情報・知識の時代」が到来しているといわれている。ダニエル・ベル(Daniel Bell)は20世紀末の「情報化時代」が社会を変容させていることを指摘し、「知識社会」の到来を示唆した。このような考えは、コンピューターなどの情報通信資本が発達し、インターネットによって多くの人々の情報や知識のコミュニケーションが活性化され、新しいアイディアや創意工夫によって様々なイノベーションが生み出されると捉えている。 「工業の時代」では、人口と生産が都市に集中し、鉄道や飛行機、道路や車などのエネルギー網と運輸網の発達によって、物質的な制約を課せられた人や商品などが都市を拠点に国際的な移動ができるようになった。また、20世紀には無形の価値を経済活動に結びつける、著作権というビジネスモデルも生み出された。そして、インターネットを中心としたコミュニケーション技術の普及は、接続手段の普及と情報技術の規格化によって世界中のどこにいても膨大な情報を瞬時に、そして同時に人々が共有できるように発達している。要するに、コミュニケーション技術の発達は、情報流通の安定性と効率性を高めると同時に、そのコストや国境を無意味にしていると捉えることもできる。このような社会の変容は国際社会が知識経済へと発展することを意味し、物的生産による労働に代わり知識労働者が行う経済性が拡大していることは明確である。

時代背景と経済成長(注)ここでは以下の研究を参照している。Alvin Toffler, (1980), pp.148-149. 総務省,(2007) ,p.2. Daniel Bell, (1995),前掲書,p.10. Anthony Giddens, (2009),p.67,pp.759-760.

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