情報化とビジネスの進化の関連性に関する一考察

0-1.情報化とビジネスの進化の関連性に関する一考察

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先進国は工業社会によって高度な経済成長を遂げ、20世紀末から社会の情報通信資本が急速に発達している。これによりニューエコノミーが期待されたが、世界的な投機マネーによる金融バブルとともに崩壊した。しかし、インターネットは拡大を続け社会インフラは確実に変容しており、情報化はマーケティングにも影響を与え、新しい市場を拡大させるとともに一部の産業に脅威を与えている。また情報革命は、グリーンICTなどの省資源化を進め、運輸網やエネルギー網にも影響を与えている。そして、環境などの社会問題に対する意識改革は金融市場にも広がっており、社会的責任投資が注目され、企業の社会的責任にESG (注1)への要求が強まっている。一方で (さらに…)

0-2.現状の認識

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私たちの生活様式は、インターネットの普及と情報通信関連機器のイノベーションにより大きな変化を見せている。コンピューターは、物質と情報の一体化の概念を変え、物質から分離した情報をデジタルに置き換えた。インターネットに参加する世界の利用者は20億人となり、携帯電話の利用者は50億人に達するといわれ、さらに拡大を続けている。このような数十億人規模で利用されるデジタル情報は、核兵器で攻撃されても通信を可能とする安定性と、膨大な情報量でも通信を可能とする効率性を指向して生まれたインターネットの構造によって世界中に拡散している。

一方で、経済が成熟した先進国では金融改革が進められ、 (さらに…)

0-3.論述のテーマ

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ここでの論述については、いくつかのテーマを中心に構成され、それぞれのテーマによって特徴がもたらされている。一つ目の主なテーマは、ニューエコノミーであり、産業革命以降の工業社会の時代背景の文脈を捉え、株式投資の大衆化や金融ビックバン以降の金融市場の趨勢を踏まえて考察している。二つ目は、インターネットであり、情報化とインターネットの誕生をコンピューター開発の源流にまで遡り、その発展に至るまでの歴史について、人と技術を中心に捉えて研究を行っている。三つ目は、情報化の影響を受けたマーケティングをテーマにしており、物質と情報の分離によるコミュニケーションの変化に着目した分析を行っている。 (さらに…)

1-1.社会変容の趨勢 工業社会の歴史 (1)

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人類の知恵や発明によってもたらされた歴史的な革命が、人々の生活や社会そのものを劇的に変化させたように、今この時代を生きる私たちもまさにその大きな転換期に立たされている可能性がある。 人類は紀元前5万年前ほどから狩猟採取社会で生活し、およそ1万2千年前に牧畜社会や農耕社会へ変容した。そして、紀元前6,000年頃に伝統的国家を形成する文明が誕生したといわれている。しかし、18世紀末から19世紀に生じた産業革命を契機に、それまで支配してきた (さらに…)

1-1.社会変容の趨勢 工業社会の歴史 (2)

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産業革命の技術革新によって、生産設備への投資と少ない労働力による「生産性」という新しい富の創造概念が導入され、それまでの手工業的方法では生産できなかった多くの製品やサービスが生み出された。そして現在に至るまで技術革新は進化し続け、生産の量とスピードを大幅に拡大させている。工業社会が本格化するまでは村落共同体による自給自足経済が一般的であったが、生産の飛躍的な拡大は生産者と消費者を分離し、大規模な市場を誕生させた。このような変容についてアルビン・トフラー(Alvin Toffler)は、「規格化、専門化、同時化、集中化、極大化、中央集権による第二の波のプログラムの六原則 」と論じている。産業革命以降の社会では (さらに…)

1-2.時代背景と経済成長(1)

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これまでの経済成長の時代背景は「農業の時代」、「工業の時代」を経て現在に至っている。それぞれの時代には変革をもたらした契機があり、「農業の時代」は、肥沃な土地の共同体的な占取を出発点とした「空間的規制型」の文明によって発達し、「工業の時代」は、産業革命による技術革新と資本設備を基盤とする「空間的伸張型」の文化を創り出した。そして20世紀から21世紀にかけて新たな経済成長の源泉が出現し、新しい時代として「情報・知識の時代」が到来しているといわれている。ダニエル・ベル(Daniel Bell)は20世紀末の「情報化時代」が社会を変容させていることを指摘し、「知識社会」の到来を示唆した。このような考えは、コンピューターなどの (さらに…)